言霊を大切に

言霊とは言葉には魂が宿っていると考える、霊的な力のこと。日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国「言霊の幸ふ国」といわれていました。
古代から日本では、よい言葉を発すればよい出来事が起こり、悪い言葉を発すれば悪い出来事が起こると考えられてきました。祝詞を奏上する際、絶対に誤読がないよう注意されたのもこのためです。また、自分の意志をはっきり言葉にすることを「言挙げ」と言い、それが自分の慢心によるものであった場合には悪い結果がもたらされると信じられていました。例えば『古事記』において倭建命が山に登ったとき、山の神の化身に出会いましたが、倭建命はこれは神の使いだから帰りに退治しようと言挙げしました。それが倭建命の慢心によるものであったため、倭建命は神の祟りに遭い、亡くなってしまったのです。
言霊の思想は現代にも残ります。結婚式で「離れる」「割れる」などを忌み言葉とするのは、言霊に基づいてのもの。日常生活においても、言霊を意識しながら発言するようにしてください。
「どうせ私なんか」「絶対無理」「きっとうまくいかない」などといったマイナスな発言をしていると、運気もどんどんマイナスの方向へ傾いていってしまいます。
逆に「私なら大丈夫」「必ずできる」「きっとうまくいく」などとプラスの発言を心がけていれば、運気はどんどん高まります。言霊の力によって、運命を切り開いていけるわけです。
ただし、プラスの発言を心がけるあまり、慢心による発言をしてしまうのはいけません。倭建命のように、言霊の力に逆につぶされてしまう恐れがあるからです。
自分だけでなく、親しくつきあう人の言霊にも影響されます。いつも愚痴や悪口ばかり言っている人とは一定の距離を置いてつきあうようにした方が無難。いつも希望にあふれた前向きな発言をしている人と積極的に交流を持ちましょう。
このように、普段何気なく発している言葉には、貴女の運命を左右する大きな力が宿っていることを肝に銘じていてください。そして言霊を味方につけ、運命を前向きに切り開いていきましょう。